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事例4:網膜色素変性症(40代・男性)

 疾患名  網膜色素変性症
 年代・性別  40代・男性
 経過・症状  約30年前、夜間の外出時に段差が見えず、その場に立ち尽くしてしまった。眼科を受診したところ、網膜色素変性症と診断され、主治医からは、進行性の病気であり治療法がないことを告げられた(受診は1度だけ)。その後、いくつかの病院を転院したが、医師から告げられる内容は同じであった。それから10年程は数か月に1度の検査はしていたものの、夜間の見にくさ以外に社会生活上での支障はなかったことから、通院を中止した(それから約20年間、通院歴はない)。
 10年程前からは、夜間の見にくさに加え、日中の眩しさを感じるようになり、また、何となく視野の狭さも感じるようになった。また、足元が見え辛くなり、人から「周りが見えていないのではないか」と指摘されるようになった。しかし、徐々に症状が進んでいったことで体が慣れて来ていたせいもあり、日常生活上での支障はあまり感じていなかった。
 1年半程前、とあること(この病気とは無関係)から眼が腫れてしまい、近所の眼科を受診。網膜色素変性症であることを告げたところ、直ぐに検査をすることになった。そこで初めて、視野が相当に狭くなっていることが分かった。その後、特定疾患の難病認定、身体障害者手帳の2級を取得した。
 視野が狭く、足元が見えない為、少しの段差でも躓いてしまうことがある。また、日中は眩しさから遮光グラスが手放せず、また、夕方薄暗い道も見え辛い。視力も、ここ5年程でかなり落ちている。
 請求の過程  今回の請求に際しては、当初から大きな問題がありました。というのも、ご相談をいただく1年程前に、ご本人様が初診の医療機関に問合せましたが、カルテは残っていないと告げられていました。そこで委任状を書いていただき、私(田平)が当該病院を訪問。受付で、障害年金の請求を考えていること、障害年金には初診日が非常に重要な意味を持っていること、これが証明できないことには請求が出来ないこと等を説明しました。また、他にカルテを保管している場所はないのか尋ねたところ、カルテの倉庫があることがわかりました。時間が掛かっても構わないので、探して欲しいとお願いして、病院を後にしました。数週間後、カルテが見つかったとの連絡が入り、受診状況等証明書を書いて頂きました。
 結果  2級での障害厚生年金支給決定。
 寸評  カルテの法定の保存期間は5年であり、それ以上は医療機関に保存義務はありません。また、医療機関の窓口職員の方は、障害年金のことを詳しく知っているとは限りません。したがって、初診日の重要性をきちんと伝えないと、その場で5年以上前のものはないと告げられることもあります。
※これは医療機関が悪いのではありません。カルテの法定保存期間が5年であること、障害年金制度が広く周知されていないことと、さらには、初診日主義を取っているこの制度自体に問題があります。要するに法律および行政の問題なのです。
 また、今回のように、病院内にはなくても、他にカルテの倉庫があるケースもあります。場合によっては「他にカルテを保管している倉庫とかはありますか?」と聞いてみるのも大切なことです(勿論、必ずカルテの倉庫がある訳ではありません)。
 今回の案件は、約30年前に1度だけ受診した時のカルテが残っていたことが、支給決定に繋がった最大の要因です。これ以外にも、数十年前のカルテが残っていたというケースは、私も何度か経験があります。初診日が古いからと言って簡単に諦めず、先ずはきちんと問い合わせることが大切ですし、その際には、初診日の重要性についても必ず説明するようにしましょう。
 それと、この事例を読んで、「何故、社会的治癒を申立てなかったのか?」と思われた方もいるかも知れません。しかし、社会的治癒は例外的な取扱いであり、簡単に認められるものではありません。安易に社会的治癒に飛びつくのではなく、先ずは(実際の)初診日を探すことを第一に考えるようにしましょう。
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