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《第863回》5年前の状態を証明しても遡り分は支給されません 【障害年金】

こんにちは(^O^)/

今夜から福岡に旅立ちます。
明日からの教室講義に備える為です。
今回担当するのは”雇用保険法”ですが、
この科目はとても差が付きやすいという特徴があります。
この科目の攻略のカギは、
給付名や用語(〇〇期間など)、数字等を正確に押さえることです。
用語等の混同さえしなければ、本試験での難易度は決して高くはありません。
丁寧な学習を心掛けるようにしましょう!

さて、今回のタイトルは『5年前の状態を証明しても遡り分は支給されません』です。

障害認定日請求をする場合、
障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月経過日)の診断書を用意する必要があります。
※認定日から1年以上経過している場合は、現在の診断書も加えて必要になります。

…で、障害認定日が障害状態にあったと認められると、
障害認定日の属する月の翌月分まで、年金が遡って支給されます。
しかし、支給してくれるのは最大で5年まで。
5年以上前の分については、時効により支払われないことになっています。

ここまでが前置きです。

例えば初診日が10年以上前にあるようなケースで、
障害認定日にはそれ程症状が重くなかったものの、
その後状態が悪化して、5年以上前から状態が悪かったという場合はどうなのか?
5年前であれば、障害状態にあったことを診断書で証明出来るといったケースです。

この場合は、遡りの請求は出来ません(事後重症請求のみです)。
請求日の翌月以降の分しか年金は支払われません。
※勿論、請求日において障害状態が認められることが大前提です。

「それはおかしい!
5年前に状態が悪かったことが証明出来れば遡ってくれるのが普通なんじゃないですか?」

相談を受ける中で、こう言われることが度々あります。
しかし、遡って年金が支給されるのは、
あくまでも障害認定日に障害状態にあった時だけです。

…でも、このやり方は私もおかしいと思います。
100歩譲って5年以上前の支払い分は時効で消滅するのはしょうがないとして、
そうであれば、せめて障害状態になった時を証明出来れば、
遡って支給することにしてもいいと思うんですけどね。

初診日の時、自分がその後障害状態になるなんて思いもしないのが現実です。
そして、障害年金の認知度の低さから、
本来であれば請求が出来たにも関わらず、
この制度を知らずに請求をしていない人は沢山います。

先ほど書いた例は、障害認定日に障害状態になかったというケースですが、
当時、既に障害状態にあったとしても、
既にカルテが廃棄されている、当時の病院が廃院になっている等の理由で、
障害認定日の状態を医学的に証明出来ないというケースは非常に多いです。
こういった場合も、事後重症請求しか出来ません。

さらに、事後重症請求であっても初診日は証明しなければなりませんので、
初診日が何十年も前とかになると、そもそも請求が非常に難しくなります。

私も専門家の端くれとして、障害年金の制度自体は理解しています。
しかしながら、前記のような質問を受けたり、
初診日の証明が中々出来ずに手続きが難航したりすることで、
この制度には大きな矛盾を孕んでいることを感じずにはいられません。

皆さんはどう思われますか?

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