《第964回》児童扶養手当との調整 【障害年金】
こんにちは(^O^)/
午前中は、これから障害年金の請求をお考えの方のご家族とお会いしていました。
まだ、その方は20歳に達していないのですが、
20歳になって障害基礎年金を請求する際に、
どの様な点で気を付けるべきか等についてご相談頂きました。
今回のように来たるべき日に向けて準備をする、
情報を仕入れるというのはとても重要なことです。
「今すぐに請求を」という方でなくてもお気軽にご相談下さい。
さて、今回のタイトルは『児童扶養手当との調整』です。
児童扶養手当とは、離婚や死別などの理由により、
父親または母親が1人で子供を育てている
『ひとり親家庭』の家計の支援を目的として、
地方自治体から支給される手当です。
また、両親がいる場合でも、
父または母の一方が一定の障害の状態にある場合は、
『ひとり親家庭』と同様に支給されることになります
この場合は、障害を持っている方の配偶者に対して児童扶養手当が支給されます。
一方、障害基礎年金には子の加算というものがあり、
18歳年度末(または障害状態にある20歳未満)までの子がいれば、
その子に対して下記の金額の加算がなされます。
※障害厚生年金も、1.2級の場合は障害基礎年金が併給されます。
1,2人目:224,500円/年
3人目以降:74,800円/年
ところで、平成26年11月までは、
児童扶養手当と子の加算は併給(一緒に貰う)ことは出来ませんでした。
ところが、平成26年12月からは必ず子の加算が優先され、
児童扶養手当が金額が高い場合は、
子の加算との差額が支給されることになりました。
逆に言うと、平成26年11月までは自分で高い方を選択することが出来たんですね。
…と、まあここまではご存知の方も沢山(とは言わないまでにも)いると思います。
しかし、上記の取扱いが認められるのはあくまでも、
両親がいて、かつその一方が障害状態にある場合に限られます。
逆に言うと、母子家庭と父子家庭については上記の取扱いはなされません。
どういうことかと言うと…。
障害年金受給者には、児童扶養手当は支給しないというルールがあります。
※これは今も昔も変わりません。
ところで、このブログの冒頭の方で、
両親がいる場合は障害がある方の配偶者に対して児童扶養手当を支給することを書きました。
配偶者に児童扶養手当が支給されるのであり、
障害年金受給権者に支給される訳ではない、という理屈ですね。
なので、子の加算よりも児童扶養手当の方が金額が多ければ、
障害年金+児童扶養手当(障害者の配偶者に支給)
というのが可能だったんですね。
では、母子家庭、父子家庭の場合はどうなのかというと、
障害年金も児童扶養手当も、
両方とも支給対象となるのは障害のある方本人ですよね?
なので、障害年金の受給権者に対しては児童扶養手当は支給されません。
したがって、この場合は児童扶養手当の額の方が大きくても、
必ず子の加算を選択しなければなりません。
※障害厚生年金3級の場合は子の加算はありません。
因みに、平成26年12月以降の取扱い(子の加算を優先し児童扶養手当は差額支給)についても、
母子家庭や父子家庭の場合は適用されません。
なので、同様に児童扶養手当の方が額が大きくても、
必ず子の加算を選択するしかありません。
…とまあ、理屈は理解できるのですが、何となく腑に落ちない自分がいます。
障害者で配偶者がいる場合と、障害者で配偶者がいない場合、
どちらの方が経済的に大変だと思いますか?
普通に考えて後者の方ですよね?
(勿論、全てがそうだとは言いませんが)
なのに、母子家庭や父子家庭の方を不利な取扱いをするのは如何なものなのか?
やっぱり納得が行かないですね。
とは言え、法律で決まっている(障害年金受給権者は児童扶養手当の対象外)ので、
私が文句を言ったところでどうすることも出来ません。
これから障害年金の請求をお考えの方で、子供はいるが配偶者はいないという方。
そして、児童扶養手当を受給しているという方。
障害年金を受給すると児童扶養手当は支給されなくなります。
勿論、金額的にこれまでより不利になることはありませんが、
このルールを知っておかないと、後でこんな筈じゃなかったということになり兼ねません。
良ければ覚えておいて下さい。