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事例5:網膜色素変性症(50代・男性)

 疾患名  網膜色素変性症
 年代・性別  50代・男性
 経過・症状  約20年前から、何となく動いているものを目で追い辛いと感じるようになった。それから約5年後から、視界が狭いような気がする、暗所や明所での見え辛さを実感するようになった。心配した妻の勧めで病院を受診、網膜色素変性症と診断され、特に治療方法はないこと、今後も症状は進行すること等を告げられた。その後、他県に転勤したが、日々の仕事の忙しさに加え、治療法がないこと、日常生活に大きな支障は感じていなかったことで何年も眼科の受診はしていなかった。職場の勧めもあり、約9年ぶりに眼科を受診、ここでも網膜色素変性症と診断された。その後も視野狭窄は進行し、明所暗所での見え辛さは徐々に酷くなっていった。現在は視野が狭いため、少しの段差に足を取られて転んだり、人や壁にぶつかってしまうこともある。日中は職場でもサングラスをしなければならず、一方で建物の中の薄暗い場所でも暗くて見えなくなるなど、行動範囲が狭められている。
 請求の過程  相談を受けた時点でかなり症状は進んでおり、視野の障害の程度としては2級レベルでした。しかし、問題は初診日が約15年前であり、カルテが残っているかどうかが今回の請求の最大のキモでした。初診当時に通っていた病院の眼科に問合せて調べて貰ったところ、当時のカルテが残っているとの回答でした。証明書関係の作成依頼は医事課を通じて行うように指示をされ、担当者に電話を転送されたところ、「当病院のカルテの保存ルールは10年と定められているので、15年前のものが残っていることはあり得ない」と言われ、一悶着ありました。
 結果  2級での障害厚生年金支給決定。
 寸評  カルテの法定の保存期間は5年ですが、病院によっては独自の保存ルールを定めているところも少なくありません。では、5年とか独自の保存期間(10年など)が過ぎたら即廃棄されるかというと、そうとは言えません。そんなことをしていたら、廃棄作業だけで相当な手間を取られてしまいますので、現実にはある程度まとめて廃棄するといったところが現実だと思われます。また、珍しい症例等については、病院や医師の判断でかなり長い期間保存していることもあります。では、何故今回の事例ようなことが起きるのでしょう。それは、医療関係者が初診日の重要性を理解していないことが原因だと思われます。勿論、これは医療関係者が悪い訳ではありません。医療関係者は年金のプロではありませんので、ある意味致し方のないことでもあります。大切なのは、医療関係者は障害年金のルールを殆ど理解していないこと、そして、カルテを探す作業は(医療関係者にとって)手間が掛かる作業だ、という現実を踏まえて(請求者側が)注意をする必要があるということです。初診日の作成依頼をされる際には、このあたりを念頭において、場合によっては初診日の重要性を訴えてカルテを探して頂くようにしましょう。
この方のアンケートは、コチラからご確認頂けます。
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