初診日要件とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師(以下、医師等)の診察を受けた日をいいます。受給できる年金の種類は、初診日においてどの年金制度に加入していたかによります。また、後述する『保険料納付要件』および『障害認定日要件』についても、この『初診日』を基準として考えますので、障害年金を請求する際には、先ずはこの『初診日』を確定させる必要があります。
※障害基礎年金の場合は、以前国民年金に加入していた60歳以上65歳未満の方であっても、日本国内に住所を有する限りにおいて初診日要件を満たします。
具体的には次のような日を初診日とします。
1.初めて診療を受けた日(治療行為または療養に関する指示があった日)。
2.同一傷病で転院があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日。
3.過去の傷病が治癒し、同一傷病で再度発症している場合は、
再度発症し医師等の診療を受けた日。(注1)
4.誤診の場合、正確な傷病名が確定した日ではなく、誤診をした医師等の診療を受けた日。
5.じん肺症(じん肺結核を含む)については、じん肺と診断された日。
6.障害の原因となった傷病の前に相当因果関係(注2)があると認められる傷病があるときは初の傷病の初診日。
(注1)再発または継続の考え方
過去の傷病が治癒したのちに再度同一傷病が発症した場合は、
再発として過去の傷病とは別傷病とし、治癒したと認められない場合は、
傷病が継続しているものとして同一傷病扱いとします。
(注2)相当因果関係の考え方
前の疾病や負傷がなかったら、後の疾病は起こらなかったであろうと認められる場合は、
その前後の傷病には相当因果関係があるとされ、同一の傷病とみなします。
具体的には次のとおりです。
【相当因果関係ありと取り扱うもの】
①糖尿病と糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症。
②糸球体腎炎(ネフローゼを含む)、多発性のう胞腎、慢性腎炎にかかり、
その後慢性腎不全となったものは、
その前後の期間が長いものでも相当因果関係ありとする。
③ステロイドの投薬による副作用で、大腿骨頭無腐性壊死となった場合。
④肝炎と肝硬変。
⑤結核の化学療法の副作用で聴力障害を生じた場合。
⑥手術などでの輸血により肝炎を発症した場合。
⑦事故や脳血管疾患によって精神障害が引き起こされた場合。
⑧肺疾患にかかり手術を行った場合で、その後、呼吸不全となった場合。
⑨転移性の癌については、転移であることが確認できれば相当因果関係ありとする。
【相当因果関係なしとして取り扱うもの】
①高血圧と脳出血、脳梗塞。
②近視と黄班部変性、網膜はく離、視神経委縮。
③糖尿病と脳出血、脳梗塞。
※特に治癒後の再発については注意が必要です。また、初診日が何年も前にあり、
初診時の病院にカルテが残っておらず、証明が困難になるケースもあります。
しかし、カルテが残っていない場合でも、それに代わる証拠を提出することで、
初診日として認められることがあります。
請求をあきらめる前に、先ずはお気軽にご相談ください。