事例20:うつ病(40代・女性)
疾患名 | うつ病 |
年代・性別 | 40代・女性 |
経過・症状 | 5年程前から肩や背中、腰等の痛みを感じるようになり、後には不眠、めまい、たちくらみ等の症状にも悩まされるようになった。知人に連れられて心療内科を受診。うつ病と診断され、その後、約2年間の休職を余儀なくされた。経済的事情もあり、無理をして職場に復帰。しかし体調は万全ではなく、遅刻や早退、欠勤を繰返していた。また、家事等が全く出来ず、実家の母や姉を頼ることもあった。その後、会社経営をしている後輩から、自分のところで働かないかとの話を頂いた(その後輩は病気のことを知っている)。体調に合わせて無理なく働こうと考え転職。しかし、新しい環境で働くのは想像以上に大変であり、体調不良から遅刻や早退、欠勤することも増え、退職を余儀なくされた。 現在はピーク時よりは回復しているものの、不安や不眠、気分の落込みに苛まれ、何もする気になれないことも多い。 |
請求の過程 | いつものように、障害認定日および現在の日常生活状況についてヒアリングし、書面にまとめて診断書作成の際に医師への情報提供を行いました。しかし、障害認定日の診断書は明らかに本来の状態よりも軽く書かれており、3級に該当するかどうかが非常に微妙な内容でした。しかも、主治医との関係性等から、修正依頼をするのは事実上不可能でした。仕方なく修正依頼は断念。その内容のままで提出しました。 |
結果 | 3級での障害厚生年金支給決定(3年の遡り支給あり)。 |
寸評 | 今回は、障害認定日時点の診断書の内容が(3級に該当するのか否かが)非常に微妙でした。無事に3級での遡及が認められたのですが、その要因は、病歴・就労状況等申立書(以下、申立書)の内容ではなかったかと考えています。インターネット上には、障害年金は診断書でほぼ決まるので、申立書は適当でも構わないといった書き込みが散見されます。一方で、どちらに転んでも不思議ではない診断書(2級と3級、3級と不支給のボーダーラインなど)は沢山存在します。そういった場合に、申立書が決定に大きな役割を果たすことは多分に考えられますし、実際、私も何度も経験をしています。勿論、申立書で全てが決まる訳ではありませんが、等級決定の一因となっているのは間違いがありません(一般的には診断書9割、申立書1割と言われています)。障害年金の請求をするのは一生に一度のことだと思います。そうであれば、例え1割しか加味してくれなくても、これに手を抜くべきではありません。申立書を書くのは大変ですが、後で後悔しないようにしっかりと仕上げて頂きたいと思います。 |