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事例14:慢性腎不全(50代・女性)

 疾患名  慢性腎不全
 年代・性別  50代・女性
 経過・症状  約20年前、背側腹部の痛みと発熱があり、A病院内科を受診。腎嚢胞と診断され、直ぐに3週間ほど入院した。退院後は何ら症状もなく、通院も服薬もしていない期間が10年以上続いた。
 約10年前、発熱と腰部付近の痛みを感じ、B病院を受診、腎盂炎と診断され抗生剤を処方されたものの、症状は変わらず。セカンドオピニオンとしてA病院泌尿器科を受診、急性腎盂腎炎と診断された。ここで点滴と薬剤の処方を受け、症状は改善した。その後は症状もなく、通院していない期間が約3年に及んだが、その後、左側腹部から背部にかけての痛み、倦怠感、頭痛、尿の異常等があり、A病院消化器内科を受診。ここでも腎嚢胞の指摘を受け、C病院を紹介受診。その後も腎機能は低下の一途を辿り、翌年から週3回の血液透析を開始した。
 請求の過程  この方は当初ご自身での手続きを進めていました。最初はA病院消化器内科が初診日だと考え、ここで受診状況等証明書(以下、受証)を取得しましたが、その中に「35歳時に腎嚢胞」の記述があり、年金事務所ではここを証明する必要があるとの説明を受けました。A病院に尋ねましたが、カルテは残っていないとの回答。代わりに、約10年前に受診した泌尿器科で受証を取得しましたが、20年前の腎嚢胞の記述は見当たりません。その他、診察券等の証拠などの証拠も探しましたがどこにも見当たらず。月日だけがいたずらに過ぎて行きました。幣事務所に最初にご相談を頂いた時は、最初に動き始めてから既に2年以上の月日が経過していました。最初にお会いした時に、まず取得した2枚の受証を確認しました。消化器内科分は「35歳時の腎嚢胞」の記述がありましたが5年以上前のカルテに基づいて書かれたものではないため、これだけでは信憑性の高い資料とはなり得ません。一方で、泌尿器科の受証は5年以上前(のカルテに基づいた)のものでしたが、肝心の腎嚢胞の記述がありません。しかし、ご本人様の記憶では、泌尿器科受診時にも腎嚢胞のことは伝えてある筈だとのことでした。そこで、委任状を持って(田平が)A病院を訪問。初診日の重要性を伝えた上で、当時のカルテに何らかの記述がないか尋ねたところ、その時に本人が書いた書面(問診表のようなもの)が残っており、そこに「35歳、腎のう胞」の記述が見つかりました。これで、35歳時に初診日があることが明らかになり、さらに35歳のどの日が初診日であっても保険料納付要件は満たしていることから、当該書面を添付して、本人の記憶に基づいた初診日を基に障害基礎年金の請求を行いました。
 結果  2級での障害基礎年金の支給決定。
 寸評  今回は人工透析での事例です。透析は原則2級で認定されますので、初診日がはっきりしていれば、私たち社労士に依頼する必要はないと言えるでしょう(誰がやっても結果は変わりません)。ところが、透析に至るまでには、初診日から相当年月が経過していることも少なくありませんので、今回のように既にカルテが破棄されていても何ら珍しくありません。このような場合は無理をせずにご相談頂きたいと思います。
 ところで、「経過・症状」を読んで、10年以上通院していない期間があるなら、何故、社会的治癒を主張しなかったのかと疑問に思われる方もいるかも知れませんね。社会的治癒は非常にハードルが高いので、安易に飛びつかない方がいいと私は考えています。A病院を訪問し、何ら資料等が見つからなければ社会的治癒も止む無しと思っていましたが、そうならなくて本当に良かったです(実際、社会的治癒は時間も労力も掛かりますので)。

※今回初診日が認められたのは、下記の通達が根拠となっています。ご参考にされて下さい。

「請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録等)に請求者申立ての初診日が記載されている場合には、初診日と認めることができることとする。」

「初診日があると確認された一定の期間が全て国民年金の加入期間と厚生年金の加入期間など異なる年金制度の期間となっており、かつ、当該期間中のいずれの時点においても、障害年金を支給するための保険料納付要件を満たしている場合は…(中略)…請求者申立ての初診日が国民年金の加入期間である場合には…(中略)…参考となる他の資料がなくとも請求者の申し立てた初診日を認めることができることとする。」

◎初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱い(指示・依頼)平成27年9月29日、給付指2015-120、年相指2015-76 より

この方のアンケートは、コチラからご確認頂けます。
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