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事例17:末期腎不全(40代・男性)

 疾患名  末期腎不全
 年代・性別  40代・男性
 経過・症状  中学1年生の頃、学校の健診で尿蛋白が検出。再検査でも検出されたことからA病院を受診。IgA腎症と診断され、ステロイド剤の内服治療を行った。その後は状態も安定し、検査成績も安定していた。主治医の退職に伴いB病院に転院、その後も経過観察のための通院は続けていたが、社会人になり、次第に仕事やプライベートが忙しくなってきた。さらに数値が安定しており、これといった症状も無かったことから通院を中断、それから約5年程は通院をしなかった。30歳を過ぎた頃、健康面が気になるようになり再度B病院を受診。それから暫くは通院を続けていたが、通院を再開して10年程経過した頃から急激に腎機能が悪化。ここで初めて食事制限の指示があった。その後も腎機能は悪化し、今年に入ってから腹膜透析を施行することになった。
 請求の過程  今回はB病院のソーシャルワーカー以下、ワーカー)の方からの紹介でした。初診の医療機関であるA病院にはカルテは残っておらず、さらにB病院のカルテも平成13年(25歳時)以降しか残っていませんでした。また、診察券などの物証も残っておらず、年金事務所からは第三者証明を提出するよう指示がありました。幣事務所にご相談を頂いたのはここからです。既に診断書は取得されていましたし、また、人工透析施行中とのことで障害の程度は2級。問題は初診日の証明(20歳前に初診日があることの証明)をどうするかにありました。受任した時点で分かっていたのは、初診日は一番古いカルテの日付である平成13年以前であること。ただし、平成13年当時は25歳でしたので、これだけでは20歳前に初診日があることの証明には繋がりません。そこで国民年金保険料の納付記録を調べたところ、20歳から(現存する最古のカルテの日付である)平成13年まで、いずれの日に初診日があっても保険料納付要件を満たしていることが分かりました。さらに20歳到達日以前には公的年金には加入しておらず、そもそも保険料納付要件は問われません。これらを論理的に説明し、請求者の記憶に基づき昭和63年(中学1年生時)が初診日であることを主張した文書を作成。それを添付して請求に臨みました。
 結果  2級での障害基礎年金の支給決定。
 寸評  人工透析の場合は、初診日から長い年月を経ていることも多く、そうなると初診日証明が非常に難しくなります。初診日は障害年金のとって非常に重要な意味を持っており、これを証明できないことには認定がなされません。今回のように初診日の病院にカルテが残っておらず、さらに診察券等の物証もなく、どうしようもなくて困っているという方も少なくないと思います。そういった場合でもご相談をお受けします。一緒に可能性を探りましょう!
ところで、今回年金事務所で第三者証明を取るように指示がありましたが、証明としては非常に弱い方法であり、私も出来る限りこの方法は取らないようにしています(実際、今回この方法は取っておりません)。それと、請求の過程で記した初診日の主張について、意味が分からないという方も多いと思いますが、それには次の通達が根拠となっております。ご参考にされて下さい。

「初診日があると確認された一定の期間が全て国民年金の加入期間と厚生年金の加入期間など異なる年金制度の期間となっており、かつ、当該期間中のいずれの時点においても、障害年金を支給するための保険料納付要件を満たしている場合は…(中略)…請求者申立ての初診日が国民年金の加入期間、20歳前の期間である場合には…(中略)…参考となる他の資料がなくとも請求者の申し立てた初診日を認めることができることとする。」

◎初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱い(指示・依頼)平成27年9月29日、給付指2015-120、年相指2015-76 より

この方のアンケートは、コチラからご確認いただけます。
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