事例10:うつ病(20代・女性)
疾患名 | うつ病 |
年代・性別 | 20代・女性 |
経過・症状 | 2年前、職場のパワハラ等によりストレスが増加。不眠、食欲不振、抑うつ気分に苛まれるようになった。心配した夫の勧めで近所の精神科を受診、うつ病と診断され、通院を開始した。しかし、職場環境は益々悪くなり、それに伴い症状も悪化。休職を余儀なくされる。さらに、近所とのトラブルも重なり、家に居ても落着けず、不安を感じる毎日だった。その後、退職と引っ越しを余儀なくされ、現在に至っている。 現在は、不安と恐怖感が強く、また不眠が続いており、昼夜逆転した生活で、終日横になって過ごしている。日常生活の多くの場面で、夫の援助が必要な状態である。 |
請求の過程 | この案件は、審査請求からのご依頼でした。診断書の内容は2級相当、申立書は、少し書き過ぎではあるものの、2級を否定する程の要素は見当たらない、というのが私の最初の感想でした。 審査請求にあたっては、主治医が協力的であり、快く意見書を書いて頂きました。また、ご主人も協力的で、ご主人から見た生活の様子についても意見書をまとめ、これらを添付して審査請求に臨みました。 |
結果 | 審査請求により、障害厚生年金3級⇒2級への処分変更がなされた。 |
寸評 | 事例9でも述べましたが、精神疾患は、近年、非常に判定が厳しくなっており、また、不可思議な決定が多いように感じられます。特にうつ病の場合は、この傾向が顕著のようです。 審査請求にあたっては、主治医とご主人の意見書を添付しました。この2人には大変感謝をしております。しかし、絶対に誤解して欲しくないのですが、不服申立てはあくまでも先に提出した書類に対して理由を述べますので、意見書は、診断書や申立書の内容を補強する意味しかありません。先に提出した書類が、正確にその人の症状を反映したものではなければ、不服申立てで覆すのは非常に困難です。障害年金は書類審査であり、極端な話、その人の本来の症状よりも、書類にどう書かれているかが重要になります。これから請求をお考えの方は、その点をご留意頂きたいと思います。 今回は、ご主人が大変協力的であり、ご主人と一緒に審査請求を進めることが出来ました。障害年金請求や不服申立ての過程は、肉体的にも精神的にも負担を伴います。ご病気を抱えた方にとって、これは大変なことです。これから障害年金請求や不服申立てをお考えの方は、可能であればご家族や知人に協力を仰いで下さい。それと周りの方は、是非、積極的にサポートをしてあげて欲しいと思います。 |