事例15:遷延性うつ病(30代・女性)
疾患名 | 遷延性うつ病 |
年代・性別 | 30代・女性 |
経過・症状 | 3年程前、入浴中に左半身の痺れと視野の異常を感じた。心配した夫の付添により病院を受診し、直ぐに緊急入院。MRI検査の結果、脳梗塞との診断がなされた。約半月の入院後、暫く通院を続けていたが、不安や気分の落込み、不眠等の症状に苛まれ、家事もままならない状態が続いた。主治医より精神科の受診を勧められ、近所の精神科クリニックを受診、うつ病と診断された。 現在も、不眠、不安、疲労感、興味の喪失、希死念慮、自責念慮等に苛まれ、日常生活の多くの場面で夫の助けが必要である。 |
請求の過程 | 今回は、共済組合加入者の方からのご相談でした。共済年金は各共済組合独自のルールで動いているところがありますので、内容を確認しながら請求を進めました。請求から約3か月後、障害認定日3級、請求日2級での等級該当の連絡がありましたが、実際に証書が届いたのは、障害共済年金がその4ヵ月後、障害基礎年金の証書はさらに1ヵ月後の到着と非常に時間がかかりました。 ※等級が2級以上の場合は障害基礎年金も併給されますが、審査をする場所が違っています。 (共済年金:各共済組合、障害基礎年:日本年金機構) |
結果 | 障害認定日3級、請求日2級での障害共済年金支給決定。 |
寸評 | 共済の場合は、担当者が必ずしも年金に精通しているとは限りません。したがって、ある程度障害年金のことを分かっていないと、間違った説明により、不利益を被ってしまうことも考えられます(以前、私が携わった事例で、障害認定日から5年以上経過している場合は、事後重症請求しか出来ない等というとんでもない説明をしてきた共済組合もありました(←支給されるのが最大5年間というだけであり、障害認定日請求は可能です))。平成27年10月の公的年金一元化により、各共済制度は厚生年金に統合されました。しかし、障害年金については、各共済組合が窓口になります。今後、障害年金の請求をお考えの共済組合員の方は、是非ご相談いただきたいと思います。 因みに、障害共済年金には、在職中は支給停止というルールがありました。勿論、2級以上の方については、障害基礎年金相当部分は支給停止にはなりません。しかし、今回の事例は3級でしたので、実際に支給停止になっています。しかし、平成27年10月から、この在職中の支給停止のルールが無くなりましたので、10月分からの障害共済年金は支給されております。 ※支給されるのは、障害共済年金のうち、報酬比例部分相当額(障害厚生年金に相当する部分)のみです。職域加算部分については、平成27年10月以降についても在職中は支給停止となります。ご注意下さい。 ※詳しくは、私のブログ『(経過的)職域加算の取扱い』をご参照下さい。 |