事例10:末期腎不全(60代・男性)
疾患名 | 末期腎不全 |
年代・性別 | 60代・男性 |
経過・症状 | 約20年前から検診で高血糖の指摘を受けるも、何ら症状を感じていなかったことから医療機関の受診はしなかった。それから約10年後、スポーツ後に靴擦れができているのを発見。痛みが無かったことから放置していたところ、段々と足の腫れが酷くなっていった。近所のA外科を受診し抗生剤を処方されるも、足の腫れは益々酷くなった。その後、B病院を紹介受診したところ、すぐに入院するよう告げられた。ここで初めて傷が治らないのは糖尿病が原因であること、さらに腎障害や網膜症などの合併症も発症していることを告げられた。その後、腎機能の悪化は徐々に進行し、糖尿病と診断されてから約10年後、血液透析を施行することになった。 |
請求の過程 | 今回の事例の初診日は、靴擦れでA外科を最初に受診した日になりますが、この時のカルテは残っていませんでした。そこで、次に受診したB病院で受診状況等証明書(以下、受証)を書いて頂きました。その中には「当院を紹介受診」とあったものの、紹介状は残っていませんでした。しかし、受証の中には「平成〇年〇月〇日…近医外科にて治療…」との記述があり、その日を初診日として年金請求を行いました。 |
結果 | 2級での障害厚生年金の支給決定。 |
寸評 | 今回も初診の医療機関にカルテが残っていなかった事例です。初診医療機関の受証が取れなくても、紹介状や診察券などの物証を提出することで、初診日の証明に代えることができます(絶対に認められる訳ではありません。あくまでも内容次第ですのでご注意下さい。)が、今回はそれらも残っていませんでした。しかし、B病院のカルテの中にA病院の初診日の記述があり、かつ、そのカルテが書かれたのが約10年前であったことが初診日特定に繋がりました。
※因みに、前記のことが初診日証明に繋がるというのは、下記の根拠に基づいています。ご参考にされて下さい。 「請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録等)に請求者申立ての初診日が記載されている場合には、初診日と認めることができることとする。」 |