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事例42:遷延性抑うつ反応(50代・女性)

 疾患名  遷延性抑うつ反応
 年代・性別  50代・女性
 経過・症状  平成19年、A病院で乳がんの診断を受けた。その後から不安や恐怖心が強くなり、病院で安定剤を処方されるようになった。その後、B病院に転院し、抗がん剤や手術等による治療を行い、4回の入院も経験。この間に抗癌剤の副作用により吐き気や脱毛が起き、恐怖心や不安感が強く、この頃も安定剤を処方されていた。その後は癌の方は落ち着いて、年1回の経過観察による受診をしていたが、大地震を機に恐怖心が強くなり、不安や心配が大きくなった。約1年前からC病院(精神科)に通院をしているが、就労ができないだけでなく、家事や日常生活動作にも支障をきたす状態が続いている。
 請求の過程  この方は当初ご自身で請求を進めていました。A病院にはカルテは残っておらず、B病院で受診状況等証明書(以下、受証)を取得し、年金事務所に提出していました。なかなか結果が届かないので年金事務所に問い合わせたところ、ご自身が申し立てている日(A病院、平成19年)ではなく、B病院の受証に「平成22年●月●日よりデパス処方」と書かれていたことから、その日が初診日と判断されていること、その日では保険料納付要件を満たしていないことから、このままでは不支給となってしまうことを聞きました。幣事務所に問合わせがあったのはここからです。その後、B病院に尋ねたところ、デパスが処方される約3年前に、ワイパックス(抗不安薬)が処方されていることが分かりました。そこで、B病院でその旨を受証に追記して頂くと共に、ワイパックスが処方されていることが記されたカルテのコピーも添付して再度書類を提出しました。
 結果  2級での障害基礎年金の支給決定。
 寸評  今回のケースはもう少しで不支給になるところを、ワイパックス処方の事実が見つかったため、無事に受給に結びつけることができた事例です。正に薄氷の勝利と言っていいでしょう。今回のような特殊なケースについては、最初からもう少し慎重に事を進めるべきだったと言えます。しかし、一般の方がそこまで気づいて対処するのは、やはり難しいと言えます。今回のように初診日が古く、かつ特殊なケースについては、無理をせずご相談頂きたいと思います。
この方のアンケートは、コチラからご確認頂けます。
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