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事例38:双極性感情障害(30代・女性)

 疾患名  双極性感情障害(障害認定日当時:統合失調症)
 年代・性別  30代・女性
 経過・症状  約10年前、職場での人間関係に悩み、その頃から頭痛や無気力、倦怠感といった症状に悩まされ、仕事も休みがちになった。A病院を受診したところ、うつ病との診断がなされ、直ぐに休職(約2年間)。この間にB病院に転院、この頃は被害妄想や幻覚、幻聴といった症状に悩まされており、統合失調症と診断されていた。大声をあげて暴れることがある一方で、仕事をしていない罪悪感から極度の食欲不振に陥った。その後、約2年ぶりに復帰したが、体調不良から早退や欠勤をするようになり、復帰後約1年で2回目の休職(約1ヵ月)。復帰後は会社の職場復帰プログラムに沿ってお試し出勤を行ったが、体調不良から休みがちであり、約10ヵ月後に3回目の休職を余儀なくされた。2ヵ月後に復帰したものの、離婚などを経て再度体調が悪化、4度目の休職を余儀なくされた。約1年後に復帰したが体調は悪く、復帰後は殆ど出勤しないまま退職を余儀なくされた。その後は経済的事情からいくつかの職に就いたが、働けるような状態ではなく、どこも長続きはしなかった。
 現在は気持ちの落込みや不安、倦怠感に悩まされ、少し動くだけでも疲れ果て、寝込んでしまうこともある。この為、家事は勿論、日常生活の行動もままならない状態である。
 請求の過程  この方は障害認定日時点では休職をしていましたが、その後は復帰をしています。合計4回の休職をしていますが、最初の休職から約6年間は会社に在籍していました。障害認定日請求(遡りのある請求)を行うにあたり、この辺りをどう判断されるかが非常に気がかりでした。診断書の内容は、障害認定日当時も現在も2級相当(障害認定日については、1級の可能性もある内容)でした。遡及で不利益を受けないように、病歴・就労状況等申立書(以下、申立書)には休職と復職を繰返していたこと、復職しても休みがちだったことを詳細に書き、さらに別紙にもその間のことをまとめた書面を添付して請求に臨みました。しかし、障害認定日については不支給決定がなされてしまいました。
 それから審査請求を行いましたが、結果は棄却。審査請求中に当時勤めていた会社に照会が入り、当時の出勤状況(いつ出勤して何時間働いていたか)が詳細に書かれた書類が(会社から)提出されていましたし、また、当時の病院に対しカルテの提出を求められましたが、審査請求の決定書には、これらの資料を基に不支給決定は覆らない旨のことが書かれていました。
 再審査請求を行うにあたっては、前記2つの資料を精査することにしました。先ず出勤状況ですが、フルタイムに近い状態で働いている月は殆どなく、欠勤や遅刻、早退が多いことが分かりました。また、カルテの内容から、症状が軽快していると思われる部分と状態が悪かったと思われる部分を抜粋して比較表を作成して、障害認定日当時の状態が最低でも3級相当の状態であったことを示しました。
 結果  2級での障害厚生年金の支給決定、障害認定日は不支給。
審査請求⇒棄却、再審査請求⇒障害認定日3級への処分変更
※最終結果:障害認定日3級、請求日2級
 寸評  この案件は再審査請求まで行いましたので、最終的には2年近くの月日を要することになりました。非常に時間が掛かりましたが、何とか遡及分も認められてホッと胸を撫でおろしています。
 ところで、この方は障害認定日当時は休職中でしたし、診断書も相当の内容が書かれていました。ところが、その後の(会社の)在籍期間が長かったことで、(障害認定日当時は)障害状態には無かったとの判断がなされています。勿論、その点も睨んで、申立書の中で休職と復職を繰返していたこと等を詳細に書いていましたので、ここまで厳しい判断がなされたことに正直驚いていますし、障害認定日請求(遡りのある請求)の難しさを改めて感じているところです。障害認定日当時は無職だった、または休職中だったがその後復職した、再就職したというケースは少なくないと思います。そういった場合の障害認定日請求の場合は、障害認定日当時だけでなく、その後の経過も含めて認定に当たっての判断がなされます。その点を重々ご留意下さい。そして、少しでも不安がある場合は、最初からご相談いただいた方が無難です。


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