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事例11:肝硬変B型(50代・男性)

 疾患名  肝硬変B型
 年代・性別  50代・男性
 経過・症状  約20年前、会社の定期健診で初めて肝機能の異常を指摘された。その後の精密検査の結果、慢性B型肝炎と診断されたが、特に体調不良等は感じていなかった。当初は2~3ヵ月毎に通院をしていたが、次第に検査数値も落ち着いていったことから、後には半年に1回程度しか受診しなくなった。
 最初にB型肝炎と診断されてから約10年後、検診で再度肝機能異常を指摘され、病院で精密検査を受けたところ「肝硬変の入り口のような状態である」と告げられた。その年の12月には黒い便が出て1週間程入院(診断名:出血性胃炎)。また、その2年後には食道静脈瘤と診断され手術を行った。
 現在は2か月毎に通院し、薬物を処方されているものの、少しずつ効き目が弱くなってきている。倦怠感や体の疲れが強くなっており、仕事中も午後になると適度に休憩を取りながらでないと動くのが辛い。医師からもフルタイム勤務は控えた方がいいと言われているが、家族を抱え、かなり無理をして仕事を続けている。
※請求時のChild-Puh分類は6点。
 請求の過程  当初ご自身で請求を進めており、既に診断書を取得するところまで終わっていました。しかし、病歴・就労状況等申立書(以下、申立書)に何を書いていいか分からないこと、最終的には専門家に任せたいとのことで、途中からの受任となりました。既に書かれた診断書を確認すると、フルタイム勤務で残業まで行っている旨の記述があり、ここが審査でどう捉えられるかが非常に気がかりでした。実際には午後になると休憩をしながらでないと動くのが辛く、医師からもフルタイム勤務は控えるように言われていましたので、その旨を主治医に伝えて診断書に追記をしてもらいました。また、近いうちに短時間勤務に切り替える予定であることも分かり、会社にその旨を証明して貰えないかとお願いをしましたが、残念ながら会社の協力は得られませんでした。そこで、その点(短時間勤務に切り替える予定)を申立書の中で明確にして請求に臨みました。
 結果  3級での障害厚生年金の支給決定。
 寸評  肝疾患は検査数値に加え、一般状態区分(ア~オの5段階評価、アが最も状態が軽く、オに近づくにつれて重い評価となる)がどこにチェックしてあるかも重要です。因みに、3級では一般状態区分はウまたはイとなっていなければならず、軽い評価のイでさえ『軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの』とされています。この方の一般状態区分はイとされていたものの、前記の記述(フルタイム勤務で残業まで行っている)があったことから、大きな誤解を生んでしまう可能性がありました(因みに、この方の業務は軽作業でも座業でもありません)。審査に約半年(通常は3か月程度)も掛かりましたので、審査上でも当該部分が引っ掛かっていたものと思われます。今回は薄氷の勝利だったと言えますが、いい結果を生んだ要因の一つは、私は申立書の内容ではなかったかと思っています。インターネットの書き込み等には、「障害年金は診断書でほぼ決まるので、申立書は適当でも問題ない」といったいい加減なものが散見されます。後で後悔しないためにも、そういった怪しげな情報に惑わされず、書くべきことはしっかりと記載するようにしましょう。
この方のアンケートは、コチラからご確認頂けます。
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