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事例31:うつ病(40代・女性)

 疾患名  うつ病
 年代・性別  40代・女性
 経過・症状  幼少の頃から、聴こえてくる内容を情報として頭の中で理解するのが苦手で、「話を聞いていない」と怒られることが多かった。さらにコミュニケーションが苦手で、仲の良い友人もできなかった。中学生の頃は不登校を経験。高校も休みがちではあったが、何とか留年せずに卒業することができた。高校卒業後はアパレル関係の会社に就職、接客業であり、かなり無理をして仕事をしていた。また、順序立てて作業をすることが苦手で、失敗しては何度も注意を受け、仕事中は常に緊張状態で不安が続いた。Aクリニックを受診し、処方された薬を服用したが、不安な気持ちは変わらなかった。その後もいくつかの病院を転院し、現在に至っている。約2年前に退職してからは、ずっと働くことができず、家事全般も母に頼っている状態である。
 請求の過程  この方は当初ご自身で請求を進めていました。初診日が約20年前でしたが、幸いカルテが残っていました。ところが、受診状況等証明書(初診日証明のための書式。以下、受証)の作成依頼を後回しにし、診断書の取得や病歴・就労状況等申立書の作成を先に行っていました。数ヵ月後、受証の作成依頼を行ったところ、「カルテは残っていない」との回答。「カルテを保管しておくように伝えていた筈だ」と抗議しましたが、「そういう話は聞いてない」と言われどうすることもできませんでした。仕方がなく、受診状況等証明書が添付できない申立書を書いて年金請求書類を提出。その後、2回の返戻(審査の過程で疑義が生じた場合等に、書類が戻って来ること)が行われ、どうにもならない状態に陥ってしまいました。弊事務所にご相談頂いたのはここからです。その後、初診の医療機関の医師に第三者証言を求めましたが、20年も前のことで覚えていないので書けないと言われてしまいました(これは致し方がありません)。それからもいくつかの医療機関や調剤薬局等を訪問しましたが、当時の資料は全く残っておらず、また、ご依頼者様の自宅に何らかの証拠(診察券など)がないか探しましたが、これも見つかりませんでした。最後に、2番目に受診したB病院をご依頼者様の一緒に訪問(この前に電話で問い合わせをしていたが、その時は初診日に関する記述はないと言われていた)、そこで障害年金のルールや初診日に関する通達等を説明した上で、明確な初診日でなくてもいいので、何らかの記述がないかと尋ねたところ、次の記述が見つかりました。「21~22歳“Panic SZ”と診断された。Aクリニック(初診の医療機関の名称)」。この内容から、明確な時期はともかく、21歳の頃に初診日があり、パニック障害と診断されていることは明らかです。さらにB病院を受診していた時期は5年以上前のことであり、21歳である1年間は全て厚生年金期間中であり、かつ、どの日においても保険料納付要件を満たしていました。そこで、B病院にカルテの開示請求を行い、交付されたカルテのコピーと私からの意見書を日本年金機構に提出し、返戻の回答としました。
 結果  2級での障害厚生年金の支給決定。
 寸評  最初にご相談を頂いた段階では、私も正直自信があった訳ではありません。ですが、2番目の医療機関にカルテが残っており、かつ、初診のことを記載していると判断できる記述が運よく残っていたことで、何とかいい結果に繋げることができました。ただ、一歩間違えれば別の結果になっていた可能性も高かった訳ですし、本当に薄氷の勝利だったと思います。
 今回の請求で一番問題なのは、受証の作成依頼を後回しにしてしまったことです。これを後回しにしていなければ、こんなに大変なことにならなくて済んだのです。では、ご依頼者様が悪いかというと、そうとは言えません。まさか初診日がそこまで重要だとは、思ってもいなかった訳ですので。
 これから障害年金の請求をお考えで、かつ、社労士に頼まずにご自身で手続きするご予定の方へ。どんなに面倒でも、何度も年金事務所に足を運んでください。そして、1つずつ手続きを完了させてから次の手続きに移って下さい。手続きの1つ1つを絶対に疎かにしないで下さい。そうしないと、とんでもないことになり兼ねませんので。そして、何度も年金事務所に足を運ぶことができないのであれば、最初から専門家に相談された方が賢明です。

この方のアンケートは、コチラからご確認頂けます。
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