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事例6:両側感音難聴(30代・女性)

 疾患名  両側感音難聴
 年代・性別  30代・女性
 経過・症状  平成4年頃、小学校の健診で左耳聴力の異常を指摘され、近くの耳鼻科を受診。「日常生活に支障がない」と言われたことから、1度しか受診しなかった。その後、高校を卒業するまでは、特に問題は無かったのだが、社会人になる頃から左耳の聞きづらさを自覚するようになり、平成16年頃には、殆ど聞こえない状態になっていた。しかし、自分が立ち位置を変えれば、日常生活や仕事に支障は無かった。その為、会社の健診でも左耳異常の指摘はあったものの、医療機関の受診はしなかった。この間、ずっと右耳の聴力は正常であった。
 平成25年の冬に40度以上の高熱が出た。熱は数日で引いたが、約10日後には右耳が詰まっているような違和感を覚えた。しかし、特に問題があるとは思わず、医療機関は受診せず。発熱から約2ヵ月後、テレビを見ていて右耳にも異常があることを自覚し、近所の耳鼻科を受診。検査の結果、左耳は重度、右耳は中軽度の難聴であることが分かった。その後も難聴は進み、平成27年頃からは補聴器を使用。しかし、仕事中はそれでも聞こえないこともあり、その後、退職を余儀なくされた。それから1~2年で急激に悪化。最終的には両耳の聴力レベルは100db以上となってしまった。
 請求の過程  この方は熊本県外の方です。初めて頂いた相談メールには「左右の難聴の初診日が20年以上離れているので、初めて2級請求は可能ですか?」といった旨のことが書かれていました。この請求が認められる為には、大前提として、左右の難聴に因果関係がないことを証明しなければなりません。しかし、それを主治医に尋ねても「どちらとも言えない」との回答で、さらに人工内耳を挿入する前に行われた遺伝子レベルの検査でも、左右の因果関係については全く分かりませんでした。そこで、平成25年に熱発して夜間外来を受診した時の診断書、平成25年の(右耳が悪くなる数ヵ月前に行われた)健診および平成20年、24年の健診結果(全て左異常、右正常を示していた)、その当時の日記(高校生の頃のもの(健診で右耳は余裕だが、左耳が全く聞こえなかった)、熱発時(40度の高熱が出た)およびその約10日後の日記(右耳が詰まっている?気のせい…)を参考資料として提出。これに私からの意見書(左右の難聴には因果関係はなく、初めて2級請求の要件に合致していることを主張)を添付して障害厚生年金の請求を行った。
 結果  1級での障害厚生年金支給決定。
 寸評  初めて2級請求とは、先発の障害では1級または2級の状態にない場合でも、その後別の障害により、先発の障害と後発の障害を併合して初めて1級または2級の状態になる場合は受給権を認める請求を言います。請求の過程でも書いた通り、左右の難聴に因果関係がないことを証明出来ないことには、この請求は認められません。主治医の見解も遺伝子レベルの検査でも、左右の難聴の因果関係は分からないと言われた時には、正直この請求が成功する可能性は極めて低いと思いました。しかし、この方が色々な資料を必死に集めて下さったことで、私も理論的な主張をすることが出来ました(それでも成功する可能性は、甘く見積もって2~3割だと思っていました)。非常に特殊で難しい案件でしたので、地元の社労士や年金事務所でもあまりいい対応をされず、長い期間、お悩みになっていたとのことでした。最終的にいい結果がもたらされた一番の要因は、この方が最後まで諦めなかったことに他なりません。これから障害年金の請求をお考えの方。請求の過程では困難なこともあるかも知れませんが、最後まで絶対に諦めないで下さいね。
この方のアンケートは、コチラからご確認頂けます。
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