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事例8:大うつ病(30代・男性)

 疾患名  大うつ病
 年代・性別  30代・男性
 経過・症状  転職を機に、環境の変化や人間関係に悩まされることになった。また、家族もうつ病になったことでショックを受け、次第に不眠や倦怠感、意欲の低下などに悩まされるようになった。仕事にも支障をきたすようになり、休職と復職を繰返すも、最終的には退職することになった。その後、経済的理由から無理をして就職するも症状は悪化、短期間での退職を余儀なくされる。
 故郷に戻り、少し精神的に余裕が出たこともあり、パートをしながら通院を続けている。しかし、月に数十時間働ける時もあれば、1~2日しか働けないこともあるなど、症状には波がある。
 請求の過程  障害認定日から4年以上経過していたこともあり、障害認定日と現在の2枚の診断書を用意して障害認定日請求に臨むことにしました(それぞれ、別の病院の別の主治医に診断書を書いて貰いました)。診断書作成依頼にあたり、先ずは主治医との相性や信頼の度合い等を尋ねました。
 障害認定日当時の主治医には全幅の信頼を置いていたとは言えず、また、日常生活や就労状況について(主治医が)把握しているかどうかには不安が残るとのことでした。そこで、障害認定日当時について詳細なヒアリングを行い、日常生活状況等についての申告書を作成し、診断書作成の際に渡しました。一方、現在の主治医に対しては全幅の信頼を置き、日常生活状況等についてもきちんと伝えているとのことでした。そこで、特に申告書のようなものは作成せず、そのまま診断書の作成依頼を行いました。
 結果 3級での障害厚生年金支給決定(4年半の遡り支給あり)。
 寸評  診断書は主治医が書きますが、その主治医は患者の日常生活の詳細を知っているとは限りません。したがって、適切に情報提供を行うことはとても大切なことです。
 一方、診断書の作成依頼はとてもデリケートな作業です。私たち社労士が中に入るのを非常に嫌がる医者も少なくありません。また、日常生活状況の情報提供についても、それを嫌がる医者も(稀にですが)存在します。私が最初に主治医との信頼関係について聞いたのはその為です。私たち社労士は、障害年金が支給されるように全力を尽くすのが仕事ですが、依頼者にとっては、病気を治すことの方が大切であり、その為には、信頼できる主治医の存在が不可欠です。依頼者と現在の主治医とは、今も関係が良好なことも書き添えておきます。
 因みに、障害認定日当時は、統合失調感情障害という別の疾患名が書かれていました。精神疾患では、病院が変わる度に診断名が変わるのはよくあることです(うつ病⇒統合失調症など)。診断名の変更と認識されるケースが殆どですので、これから請求をされる方は良ければ覚えておいで下さい。
この方のアンケートは、コチラからご確認頂けます。
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