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事例2:拡張相肥大型心筋症【社会的治癒が認められた例】(50代・男性)

 疾患名  拡張相肥大型心筋症
 年代・性別  50代・男性
 経過・症状  約20年前、会社の定期検診にて心電図に異常が見られ、精密検査を受けるように指示された。知人の医師に勧められた病院にて精密検査を受検、肥大型心筋症と診断されるも、予後は良好だろうとのことだった。その後は2~3ヵ月毎に経過観察の為の通院を続けていたものの、何ら症状は感じなかった。会社では新規事業の立ち上げに携わりるなど、毎日とても忙しく過ごしていた。また、プライベートでは、趣味の魚釣りやスポーツ等も楽しむなど、公私共に充実した日々が20年弱続いた。
 初診から約20年が経過したある日、朝から酷い息切れを覚え病院を受診、直ぐに入院することになった。一旦は退院するも、またも酷い息切れにより再入院、ここで拡張相肥大型心筋症と診断され、その後CRT-D埋込を施術した。
 現在は通院しながら自宅療養を続けている。家での温和な生活は可能だが、少しでも無理をすると、動悸、息切れ、脈の乱れ等が起きてしまい、行動が制限されている。身体障害者手帳1級。
 請求の過程  今回も社会的治癒の絡んだ事例です。この方の場合は長期間仕事を続けており、さらに年金記録を調べると、その間の標準報酬月額が高いことが分かりました。申請に当たっては、(その方がお住いの県の)同年代の給料の平均を資料として添付し、平均よりもかなり(報酬が)高いこと、一般的に報酬が高い仕事はそれだけハードなことが多く、何らかの症状があったのであればこれだけ長期間、高い報酬を維持することは考えられないことを主張しました。また、主治医も社会的治癒の状態にあったことを認め、診断書にこれを記載して頂きました。さらに、当時の同僚の方2人の証言も取得し、これらを添付して社会的治癒の状態にあったことを主張しました。
 結果 2級での障害厚生年金の支給決定。
 寸評  今回は20年近くに渡る長期間、高い報酬を維持していたという確固たる事実がありましたので、私としてはかなりの自信がありました。しかし、精神の事例5腎疾患の事例4と同様に、途中で返戻が行われました。これだけの証拠があるのに何故?という驚きもありましたが、社会的治癒の審査がそれだけ厳しいことを物語っていると言えます。
 社会的治癒は、概ね5年以上特に症状を感じず、普通に社会生活が送れていれば認められることになっています。理屈は非常に簡単なのですが、これを認めさせるのは非常に困難です。社会的治癒の絡む請求については、一般の方がご自分で行うのは至難の業です。無理をせず、ご相談いただきたいと思います。
この方のアンケートは、コチラからご確認頂けます。
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